「愛」をめぐる、90年代からのアニメの変遷雑感

輪るピングドラム第23話が最高に神回だった件について

 
 
 

 

 
 
 
ニコ生PLANETSのピングドラム語り
http://d.hatena.ne.jp/samepa/20120120
  

宇野:『ゼロ年代の想像力』という最初に書いた本が、
まさにオウム的な、「僕達はこの社会に生きる意味が分かりません」、
という自意識が「孤児」という比喩で表される作品がたくさんあって、その代表がエヴァンゲリオン
最初はエヴァンゲリオンみたいに母親の胎内に引きこもって承認を求めるってものだったのが、
「逆にデスノートみたいに逆ギレして強くなっていくしかないじゃん」、という評論を書いた。
しかしそうして逆ギレして強くなるのはオウムといっしょでテロじゃんと、行き着いた先が、
家族を作るのではなくて、擬似家族を作ること。親は選べないんだから、家族は与えられるもの。
そうではなく、友達関係というか、擬似家族みたいなものを作っていくのが良いのではないか、というのが僕のデビュー作。

 
 
 
90年代からのアニメとか漫画の大きな流れみたいなのが、
なんか自分の中ですごく納得いった。
 
 
エヴァ
「僕を認めてよ! 僕を愛してよ!」(愛を与えてもらいたい) 

デスノートコードギアス
「世の中に俺を認めさせてやる!」(力ずくで愛を勝ち取る)

日常系(ゆるい系、百合系。けいおん!等)
「私たち、最初から仲良しだよ〜」(愛を既定のものとして描く)←今ココ
 
 
もちろんアニメも漫画も山ほど世の中に出ているので、この流れに当てはまらない作品の方が多いだろうことは重々承知してる。
でも、大まかな流行と言うか、作品の裏に流れてる思想の変遷みたいなのは多分あると思う。
そして、この次に来るのがおそらく上で言ってる「自分たちの手で擬似家族(愛)を作る」というテーマなんだろうな。
僕は友達が少ない」なんかも、その流れ上にあるのかもしれない。
はがないも含めて、最近リア充志向みたいなのがオタク界に芽生えてきた気がしてたので、
そこにもしっくり来た。 
 
『ペルソナ4』第15話・・・ハーレムになることを強いられているんだ!!
http://yaraon.blog109.fc2.com/blog-entry-6739.html
http://tvanimedouga.blog93.fc2.com/blog-entry-12408.html
 
 
Angel beats!も、そのテーマに気付きつつもいまひとつ描き切れなかったのかな、と今になってふと思った。

 
ちなみに、この擬似家族のテーマをやる上で重要なのは、影の部分をどう描くかだと思う。
愛って自己犠牲と表裏一体だし、人間関係は楽しいことばかりじゃない。
 
視聴者が、けいおん!みたいに楽しいことや幸せなことしかない日常系アニメの綺麗事感に気付いて飽きてしまった時、
そういう人間関係のリアルな部分を見たいという欲求が生まれて、
きっと次のフェーズに移るんじゃないかと思う。

 
家政婦のミタなんかがそうだったのかも?